reggaeのドラミング

ボブマーリーで有名なレゲエという音楽はそもそも、ジャマイカ発祥でカリプソを母に持っています。カリプソはバナナボートに代表されるカリブ海の音楽です。1920年代にカリプソアメリカでブームとなり、またアメリカからはR&Bがジャマイカに入って来ます。カリプソを土壌に持ったジャマイカのバンドがジャズのホーンセクションを取り入れてR&Bのカヴァーをし始めたのがいわゆる"レゲエ"の前身である"スカ"の始まりでした。ちなみにスカというのはスチャスチャというギターの裏打ちのサウンドのことです。このスカが世代交代を経て歌に比重を置いたロックステディというジャンルが台頭し、BPMは下がり、ホーンセクションは減り、少しずつベースが強調され、ピアノが電子オルガンに変化しながらレゲエへと深化をしていきました。

スカ、ロックステディ、レゲエに共通して言えるのは本来スネアを鳴らす3拍目ににバスドラムがくるということがロックと違うところになります。またスネアはハイピッチで浅い胴鳴り、クローズドリムショットを多用します。スカはシンコペーションを含むパーカッションのようなハイハットが特徴で、レゲエはシャッフルとレギュラービートを混在させたポリリズムや粘りのあるグルーヴやサウンドシステムというジャマイカ特有のカルチャーが生み出された"ダブ"というサウンドエフェクトなどを使った、リバーヴ感が特徴です。またビートに関しては以下に分類できます(以下wikiより転載)。

ワンドロップ
1拍目にアクセントがなく、3拍目のみがスネアドラムのリムショットバスドラムによって強調される。カールトン・バレットが開発したとされるこのリズムは、レゲエを特徴づける要素の一つである。代表的楽曲はボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「ワン・ドロップ (One Drop)」など。

フライング・シンバル
ワンドロップのドラムに、通常はギターやキーボードが強調する2拍目、4拍目をハイハットのオープンショットによって強調する奏法。1974年にカールトン・サンタ・デイヴィス が開発し、1975年まで流行した。代表曲はジョニー・クラーク 「ムーブ・アウト・オブ・バビロン (Move Out of Babylon)」など。

ロッカーズ
ルーディメンツを下敷きにしたマーチングバンド風のフレーズをスネアドラムで叩く。その戦闘的にも聞こえるビートから「ミリタント・ビート」とも呼ばれている。スライ・ダンバーによって開発された。代表的楽曲はマイティ・ダイアモンズ 「アイ・ニード・ア・ルーフ (I Need A Roof)」(1976年)など。

ステッパーズ
スライ・ダンバーが開発した4拍子の4拍すべてに固い4つ打ちのバスドラムを打つリズムである。代表的楽曲はボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ「エクソダス」など。この曲でカールトン・バレットは、4分の4拍子を刻む4つ打ちのバスドラムに8分の6拍子を刻むハイハットの3連打を絡めている。

1971年、ポールサイモンが"母と子の絆"という曲でレゲエを取り入れたあたりから、スティーヴィーワンダー、ポールマッカートニー、エルヴィスコステロ、ローリングトーンズ、クラッシュ、ポリス、ABBAなどのアメリカやイギリスのミュージシャンがレゲエを取り入れ、エリッククラプトンはボブマーリーのI shot the sheriffを歌ってアメリカのチャートで1位を取りました。またレゲエのトースティングという歌唱法はヒップホップのラップの下地となったと言われていて、ロックステディのベースフレーズがサンプリングで多用されるなど、様々な音楽への影響を残しました。またスカはイギリスのユースカルチャーや音楽と結合して独自の進化を辿っていきました。その辺りのごちゃ混ぜなレゲエやポリスやクラッシュのようなロックレゲエのスタイルも取り入れてみると面白いかもしれません。またドラムンベース、ジャングル、レゲトンなどへ派生していったジャンル等も知っておいて損はないでしょう。


Bob marley "no woman no cry" 1979